江戸時代は五大珍味のひとつ「アンコウ」

小樽港海の幸お届け便り vol.71

冬の鍋物の横綱といえば、西が「フグチリ」なら、東は「アンコウ鍋」ではないでしょうか。アンコウはそのユニークな見た目からは想像もできないほど美味しい魚です。

江戸時代から珍味として重宝され、「三鳥二魚」と呼ばれる五大珍味のひとつでした。三鳥二魚とは、鶴・ヒバリ・鷭・鯛・アンコウを指し、東海道常陸路から皇室に献上されるなど、歴史的にも名高い高級食材です。漢字では「鮟鱇」と書きます。

アンコウは北海道より南の海域に生息しており、現在、水揚げ量日本一は下関港です。福島・茨城・千葉にまたがるエリアでも水揚げされていて、毎年11月に開催される茨城県の「大洗あんこう祭り」では、吊るし切りの実演やアンコウのグルメ販売などで大変盛り上がります。

吊るし切りとは「アンコウ」のさばき方の一つです。「アンコウ」は大きいうえに体がぶよぶよしているので、まな板の上ではさばくのが難しいため、口に鈎をつけて吊るし、回転させながら皮や身を削ぎ落とす独特な方法でさばきます。他にも、雪の上でさばく「雪中切り」という方法も青森県風間浦村に伝えられています。この方法でさばくと保冷効果があり、より鮮度が保たれるそうです。

海のフォアグラとも称されるアンキモをはじめ、アンコウはほとんど捨てるところのない「無駄のない魚」としても有名です。「肝、皮、胃袋、卵巣、エラ、ヒレ、身」をアンコウの七つ道具と呼び、それぞれが独特の旨味を持っています。

市場では区別することなく流通していますが、寒い季節を中心に鍋物で賞味されるものにはキアンコウとアンコウの二種類があります。築地市場などでふつうに見かけるのはキアンコウです。キアンコウは北日本に多く、アンコウは南日本に多いようです。




海と歴史を刻む街から口福のおすそわけ。「小樽港 海の幸お届け便」


かつて江戸から明治にかけて日本各地と北海道を結んだ北前船という商船がありました。
その頃から小樽を大きく発展させてきた「春告魚」とは鰊のこと。
ここから始まった小樽の水産加工の歴史は創業100年を超える企業を作り出してきました。
小樽百貨UNGA↑は、小樽水産加工業協同組合とともに、この街を活かしてきた「海の恵み」を全国の皆様へお届けいたします。


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