かつてはアワビやフカヒレと並ぶ中国への重要な輸出品ナマコ

小樽港海の幸お届け便り vol.69

日本人とナマコのなじみは深く、江戸時代には天下の三珍のひとつとして「越前のウニ」、「長崎のカラスミ」とともに、「三河のコノワタ(ナマコの腸の塩辛)」が挙げられています。

ナマコを煮たあと乾燥させたものを干しナマコと呼び、中華料理で珍重されています。かつて北前船によって俵物として運ばれた干しナマコは、アワビやフカヒレと並ぶ中国への重要な輸出品のひとつでした。

ナマコは日本各地で見られ、体長は20〜30cm、太さ5〜6cmになります。 ヒトデやウニの仲間の棘皮動物で、日本近海で年間6000トン程水揚されています。世界の海に約1500種、日本には約200種程度が生息しています。

ナマコのうち食用とされるのは主にマナマコです。主に体色の違いによって、アカナマコ、アオナマコ、クロナマコの名前で呼ばれ、特にアカナマコとアオナマコは市場価値が高く、関東では体色は暗緑色で肉が軟らかめのアオナマコが、関西では体色は赤褐色で肉が堅めのアカナマコが好まれます。

ナマコには奇妙な習性があります。外敵に襲われたり、強いショックを受けると、肛門から内臓を吐き出して敵の攻撃をかわします。この行動は「内臓吐出」と呼ばれます。失われた内臓は約1ヶ月ほどで再生するようです。

ナマコは捨てる部分のない生き物です。内臓を吐き出す習性を利用して取り出した腸を塩漬けにした「コノワタ(海鼠腸)」や、生殖巣を素干しにしたもので高価な「コノコ(海鼠子)」。内臓を抜いたナマコを煮て干した「イリコ(煎海鼠)」など、主に珍味とされるものが多いようです。




海と歴史を刻む街から口福のおすそわけ。「小樽港 海の幸お届け便」


かつて江戸から明治にかけて日本各地と北海道を結んだ北前船という商船がありました。
その頃から小樽を大きく発展させてきた「春告魚」とは鰊のこと。
ここから始まった小樽の水産加工の歴史は創業100年を超える企業を作り出してきました。
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