世界で最も食べられている二枚貝の「ムール貝」

小樽港海の幸お届け便り vol.104

現在、一般的にムール貝として出回っている貝は、日本名をムラサキイガイと言い、もともとは地中海が原産の貝です。大航海時代以降、船底に付着して世界中に広がり、日本でも1930年代に神戸で初めて生息が確認されました。強い繁殖力を持ち、今では日本全国に定着しています。海岸の岩などに群がるようにびっしりと張り付き、身はオレンジ色をしていてクセがなく食べやすいのが特徴です。

語源の「ムール=Mussel」は、海水や淡水に生息するイガイ科の二枚貝の一般名で、日本でもムール貝の一種であるイガイやエゾイガイなどが古くから食用とされてきました。ほとんどのムール貝は、幅よりも長さの方が長く、くさび形または非対称をしています。

ムール貝は、世界で最も食べられている二枚貝だと言われており、ヨーロッパではバケツに山盛り入れて、ビールや白ワインと一緒に楽しむのが定番。日本でいうビールと枝豆のような関係です。ワイン蒸し、パスタ、パエリアなどで使われ、日本でも鳥取県などではイガイ飯といって炊き込みご飯の郷土料理があるようです。

海外では 2000 年以上前から利用されており、100 年ほど前から養殖も行われるようになりました。現在、主な生産地は中国や地中海沿岸諸国で、総生産量は年間 100 万トンにも及びます。

一方、日本でムール貝は、先にも書いた通り、北海道から沖縄にまで生息しています。ところが養殖カキ類や発電所の取水口などに大量に付着するため長年「迷惑生物」として扱われ、宮城県や広島県などカキの養殖が盛んな地域で、カキ養殖の副産物としてわずかに出荷されている程度です。そのため、ムール貝としては漁獲統計上には現れてこず、国内でのはっきりとした水揚げ状況は明らかではありません。




海と歴史を刻む街から口福のおすそわけ。「小樽港 海の幸お届け便」


かつて江戸から明治にかけて日本各地と北海道を結んだ北前船という商船がありました。
その頃から小樽を大きく発展させてきた「春告魚」とは鰊のこと。
ここから始まった小樽の水産加工の歴史は創業100年を超える企業を作り出してきました。
小樽百貨UNGA↑は、小樽水産加工業協同組合とともに、この街を活かしてきた「海の恵み」を全国の皆様へお届けいたします。


小樽港 海の幸お届け便
このページの先頭へ