オスの方が高値で取引される珍しい真鱈(マダラ)

小樽港海の幸お届け便り vol.53

産卵期に漁獲される魚は、鮭(イクラ)・鰊(数の子)・スケトウダラ(タラコ)などに代表されるように、オスよりも、魚卵を抱えているメスのほうが高値で取引されるケースがほとんどです。そんな中にあってオスのほうが高値で取引される魚があります。その代表が真鱈(マダラ)です。その理由は「白子(精巣)」です。白子を食べる文化は日本独特で、海外ではほとんど食べません。今のところは日本にしか市場が存在しないため、買い付けの競争相手もいません。アラスカなどで水揚げされた白子が日本にも入ってきています。

一方、マダラの卵巣は「マダラコ」と呼ばれます。一般的に広く食されている「タラコ」はスケトウダラの卵巣で、マダラの卵巣とは別のものです。マダラコの大きさは、タラコの数倍もあり、卵粒も大きいので食感はタラコのほうが上とされていて、タラコの半値以下で取引きされているのが現状です。マダラコは、タラコのように塩漬けや明太子にしたものはほとんど見かけず、醤油付けや煮付けで食されています。

マダラの本体は、まったくクセのない水分の多い白身です。煮崩れしやすく、熱を通しても硬く締まらないのが特徴です。切身になったものをタラチリ鍋やソテーで食することが一般的です。生や甘塩、冷凍、乾物など様々な形で流通しています。

日本近海の生息域は、太平洋側は北海道から茨城くらいまで、日本海側は山陰に至る海域に分布しています。世界市場に目を向けると、太平洋産のマダラと大西洋産のマダラの大きく2種類に分かれます。漁獲量(2016年)は太平洋産が46万トン、大西洋産は133万トンに対し、日本近海での漁獲量は4万トン程度です。

全長1m、体重20kgにもなる褐色の大型魚で、背中側にまだら模様があります。この「まだら」模様から「真鱈」という名前になったと言われています。「魚」偏に「雪」と書く通り、雪の降る寒い季節が旬の魚です。また食欲が旺盛で、小さい魚から海老や蟹、貝類まで手当たり次第になんでも目いっぱい食べるそうです。「鱈腹(たらふく)」、「矢鱈(やたら)」、「出鱈目(でたらめ)」などの言葉は、そんな鱈の大食漢ぶりからきていると言われています。





海と歴史を刻む街から口福のおすそわけ。「小樽港 海の幸お届け便」


かつて江戸から明治にかけて日本各地と北海道を結んだ北前船という商船がありました。
その頃から小樽を大きく発展させてきた「春告魚」とは鰊のこと。
ここから始まった小樽の水産加工の歴史は創業100年を超える企業を作り出してきました。
小樽百貨UNGA↑は、小樽水産加工業協同組合とともに、この街を活かしてきた「海の恵み」を全国の皆様へお届けいたします。


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