江戸時代後期からお歳暮の贈答品となった新巻鮭

小樽港海の幸お届け便り vol.81

最近は少なくなったとはいえ、お歳暮に「新巻鮭」を贈る習慣は全国的に知られています。新巻鮭とは、鮭の内臓を取り除き、塩漬けにした後に干したものです。単に「新巻」とも呼ばれ、戦前までは「荒巻」の字が使われていました。

名前の由来は諸説ありますが「荒縄で巻いていたため荒巻鮭と呼ばれるようになり、新年に向けて贈る品物として一般的になった際に「新巻鮭」に変化していった」という説が有力ではないかと言われています。 

原料となるのは主にシロサケですが、ベニザケやマスノスケなどで作られることもあります。鮭が獲れない西日本の地域では鰤(ブリ)を塩漬けにした「塩鰤」を年末年始に食べる風習があります。

塩漬けにした鮭は平安時代に作られはじめ、宮中の行事に使われたり、貴族にも禄の代わりに配られていたという説があります。広く庶民の間でも食べられるようになったのは江戸時代以降で、お歳暮の贈答品として一般的になったのも江戸時代後期からのようです。

新巻鮭と同じように、鮭を塩漬けにて干して作るものに新潟県村上市などが産地として知られる「塩引き鮭」があります。新巻鮭との違いは、塩をよりしっかりと鮭に含ませるため、新巻鮭に比べて塩味が濃いと言われています。

新巻鮭を使った料理としては、そのままグリルやフライパンで焼いて塩焼きで食べたり、ほぐしてお茶漬けに。塩抜きをしてからチャンチャン焼きも美味しいです。そのほか酒粕といっしょに粕汁にしたり、石狩鍋に入れたりなど、色々な調理法で賞味されています。




海と歴史を刻む街から口福のおすそわけ。「小樽港 海の幸お届け便」


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