ホヤは生物学的に尾索動物と呼ばれる動物

小樽港海の幸お届け便り vol.89

ホヤはもともと青森や宮城、岩手といった東北地方の漁師の間で食べられていた希少な海産物で、一般的にはなかなか出回らないものでした。約120年前、宮城県の唐桑村(現気仙沼市唐桑町)で養殖が始まり、昭和の後半には全国的に食べられるようになりましたが、今でも関東以西の地域ではあまり知られていないマイナーな海産物です。

ホヤは5つの味覚の基本要素がすべて揃った珍しい食材と言われています。「甘み、塩み、酸み、苦み、うまみ」を一度に感じることができる不思議な味わいで、一度ハマるとやみつきになる理由でもあります。

ホヤの見た目は一見すると貝のように見えることから、一部の売り場などでは「ホヤ貝」と記載されていますが貝ではありません。生物学的にいうと尾索動物と呼ばれる動物で、大きく分けると脊索動物の一種です。脊索動物とは、トカゲやヒトなどの脊椎動物と、原索動物を合わせたもので、生物の分類上はヒトに近い海の動物です。

名前の由来は「ランプシェード」に当たる火屋(ほや)に形が似ているからと言われ、凹凸のあるその形状から「海のパイナップル」とも呼ばれています。漢字では「海鞘」と書きます。

ホヤの仲間は世界中に二千三百種類いて、そのうちの百数十種類が日本に生息していますが、国産で食用とされているのは三陸で水揚げされる「マボヤ」と、北海道で水揚げされる「アカホヤ」の2種類のみです。一般的にマボヤの方がホヤらしい癖が強く、アカホヤは比較的マイルドと言われています。養殖の始まりの地である宮城県は、全国ホヤ水揚量の8割を占める一大産地です。

ホヤの食べ方は新鮮なものであれば刺身、時間が経ったものは茹でたり、塩辛にしたりして食べるのが一般的です。ホヤは時間が経つと独特の磯臭さが増すため、美味しく食べるのであれば新鮮なものを食べるのがポイントです。




海と歴史を刻む街から口福のおすそわけ。「小樽港 海の幸お届け便」


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