実はタイ科の魚ではない金目鯛

小樽港海の幸お届け便り vol.106

鮮やかな赤い色と大きくてギョロっとした目が特徴的な金目鯛は、「鯛」と呼ばれていますが、マダイの仲間が属するタイ科の魚ではありません。キンメダイ目キンメダイ科というタイとは違う分類をされている深海魚です。寿命は15年程と言われており、大きいものは50cmくらいになります。

金目鯛という名前の由来は、読んで字のごとく、大きな目玉が光の加減で金色に見えるからです。目玉そのものは無色透明のガラス質ですが、その奥にわずかな光も感じ取れるタペタム層という反射層があり、光の届かない深海でも獲物を見つけられるようになっています。

ひと際目を引く鮮やかな赤い色は、死後の変色した状態で、生きて海底を泳いでいるときはマダイのような桜色をしているそうです。また金目鯛は魚の中では珍しく、浮き袋を持たない魚です。一般的に深海に棲んでいる魚は釣り上げられると、水圧差で口から浮き袋が飛び出たり、目玉が飛び出したりしますが、金目鯛はキレイなままです。釣り上げた時にうっかり落としてしまうと、そのまま元気よく深海へと帰ってしまうこともあるそうです。

味はまったくクセがなく、薄っすら乗った脂が微かな甘さ感じさせてくれる上品さが特徴です。鮮度の良い刺し身は、美しい桜色をしています。関東では古くから「金目鯛の煮付け」として親しまれ、関東を代表する煮魚というイメージでしたが、近年ではその美味しさが全国的に広まり、鮮魚として出荷されるほか、干物などにも加工されています。

主に関東沖から小笠原諸島、沖縄までの太平洋沿岸で漁獲され、中でも房総沖から伊豆半島、伊豆諸島周辺で獲れたものが下田港に水揚げされ、日本一の水揚げ量となっています。その他、神奈川県、千葉県、東京都、高知県などが主な産地です。旬は産地によって時期がずれますが、一般的には産卵が終わり、体力が戻って丸々と太った12月頃〜2月にかけてと言われています。この時期の金目鯛は、身の中にまで脂が乗りとても美味しくなります。




海と歴史を刻む街から口福のおすそわけ。「小樽港 海の幸お届け便」


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その頃から小樽を大きく発展させてきた「春告魚」とは鰊のこと。
ここから始まった小樽の水産加工の歴史は創業100年を超える企業を作り出してきました。
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