小樽物語
OTARU “THE” STORY vol.2
中川町と小樽・板谷家
中川町と小樽・板谷家との物語は板谷宮吉(初代1857−1924)が、明治44(1911)年、国有林開地1,300ha余りを入手するところから始まる。宮吉は越後刈羽郡(現、新潟県柏崎市)に生れ、福山(現、松前町)で修行後、小樽に渡り、米穀・海産物商として独立した。その後、精米業も営んだが、自家用の商品運搬用として買い入れた船舶をつかい、海運業に乗り出し、大成功をおさめた。中川町の国有地を入手したのはこの時期である。
我国でも有数の資産家となった板谷家は、大正時代末期に襲名した二代目宮吉によりデパートや私鉄の経営まで事業を拡大する。板谷家の財力を象徴する、小樽の東雲町に現存する、旧板谷邸は二代目宮吉によって昭和2(1927)年に完成している。二代目宮吉の像は現在も、自身が寄贈した市立長橋中学校(旧制小樽市立小樽中学)校庭に建っている。
板谷の森より運ばれる木々が、創り手によって新たなカタチを成すとき、小樽商人の歴史は蘇る。「小樽を、贈る。」をコンセプトに掲げるUNGA↑と森林のまち中川町とのコラボレーション企画『ITAYA SPIRIT -時を刻むうつわ-』。
森林がまちの87%を占める道北の中川町に「板谷」という地名があるのをご存じでしょうか。小樽商人として名を残した板谷宮吉。小樽で起業し、海運業で成功し、親子2代で小樽繁栄に大きな影響を与えた人物です。2022年ん、市制100年を迎える小樽。小樽の発展に大きな影響を与え、道北の中川町にも名を残した小樽商人の物語を、その地で採れた木を材として創る作品とともにお届けします。
参加クリエイター クドウテツト/梅原紳一郎/清水宏晃/前田裕人/高橋綾子
※『ITAYA SPIRIT -時を刻むうつわ-』は終了いたしました。