胴体の断面から「八角」と呼ばれるトクビレ

小樽港海の幸お届け便り vol.85

八角と呼ばれる北海道ならではの魚がいます。正式名称は「得鰭(トクビレ)」と言い、カサゴ目トクビレ科の一種です。見た目のワイルドなフォルムに反して、とても美味しい人気の知る人ぞ知る魚です。胴体の断面が八角形であるため、昔から北海道などで八角と呼ばれていました。その後、この呼び名が関東でも使われ、通称である八角という名前が一般的になりました。厳密には雄のみが八角形をしていて、雌は丸いフォルムをしています。

一方、正式名称である得鰭(トクビレ)の名前の由来は、雄の背びれと尻びれがとても長く大きく発達していることから、特別に大きな鰭から付いたとされています。

雄の方が大きくなり、体長は50cm程になります。雌はあまり大きくなりません。体は細長く、頭部から口にかけてキツネのように尖った形をしています。突き出た鼻とアゴにヒゲ状の突起が伸びています。ウロコは無く、とても硬い骨質板に覆われ、左右の角に鋭い棘が並び、さながら鎧をまとっているように見えます。

八角を主とした漁はなく、ホッケなど他の魚を獲る時に混獲され、通年で水揚げはあるようですが、もともと漁獲量が少ない希少な魚です。八角の美味しい時期は、12月から2月の冬と言われ、脂が混ざりこんだ白身が、濃厚な旨味と甘みを引き出し、かなり味わい深い魚です。調理法は塩焼き、軍艦焼き(開いて、肝、みそ、酒などを合わせたものを塗り焼いたもの)、刺身、みそ汁、鍋などが一般的です。




海と歴史を刻む街から口福のおすそわけ。「小樽港 海の幸お届け便」


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その頃から小樽を大きく発展させてきた「春告魚」とは鰊のこと。
ここから始まった小樽の水産加工の歴史は創業100年を超える企業を作り出してきました。
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