昔は日本各地で獲れたハマグリも9割が輸入

小樽港海の幸お届け便り vol.109

ハマグリは二枚の殻がピッタリときれいに重なり、対の殻以外は合わないことから「夫婦和合」の意味で縁起が良いとされています。結婚式にハマグリのお吸い物が出るのはこの為で、一生ひとりの人と添い遂げるようにという願いが込められています。また、3月3日のひな祭りに食べると「良縁」を招くとされ、お吸い物に欠かせない物とされています。

一般的にハマグリと呼ばれるものには、日本在来種の本ハマグリと呼ばれる「ハマグリ(内湾性)」と、同じく在来種の「チョウセンハマグリ(外洋性)」、そして大陸原産の外来種である「シナハマグリ」の3種類があります。

昔は日本各地の沿岸で獲れた内湾性のハマグリですが、今では三重の桑名や熊本の有明海など、一部の地域以外ではほとんど獲れなくなっています。江戸時代には豊かな漁場として知られ、江戸前寿司の定番「煮ハマグリ」で有名な江戸前(東京湾)も、高度成長期の干潟埋め立てによって生息域は姿を消し、漁獲量は激減してしまいました。

現在、日本国内に流通するハマグリの9割は中国産のシナハマグリになっています。残り1割が国産で、その半分以上が千葉県から茨城県の太平洋沿岸で獲れる外洋性のチョウセンハマグリです。チョウセンハマグリは「朝鮮」という意味ではなく、漢字で「汀線」と書き、古くから日本で獲れる在来種です。ハマグリと非常によく似ているのですが、殻は光沢があり、三角形に近い形をしており、殻の模様が少ないのが特徴です。

シナハマグリは、主な産地である中国のハマグリという意味合いで「支那蛤」と書きます。ハマグリに比べ大きさの割に殻長が短めで、腹縁部分もふっくらと張り出し、全体にずんぐりとした形をしています。殻はハマグリと同じように色合いや模様は多様ですが、ハマグリのような艶はなく表面は少しざらつきがあります。

ハマグリの名前の由来には2つの説があり、1つ目は浜辺に生息し、形が栗に似ていることから「浜の栗」と呼ばれたという説。2つ目は石を意味する古語「クリ」から「浜の石」の意味とする説です。

一般的に、ハマグリの旬は産卵に向け栄養をたっぷりと貯める春先の2月〜4月といわれています。しかし産卵期が5月〜10月と幅があり、産地によっても産卵期が違うことから旬の時期も変わってきます。時期をすぎると、産卵が終わり身が細くなるため、味が落ちてしまいます。




海と歴史を刻む街から口福のおすそわけ。「小樽港 海の幸お届け便」


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その頃から小樽を大きく発展させてきた「春告魚」とは鰊のこと。
ここから始まった小樽の水産加工の歴史は創業100年を超える企業を作り出してきました。
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