牡蠣は生で食べる習慣が欧米から伝わった珍しい食材

小樽港海の幸お届け便り vol.55

日本では、海の岩から「かきおとす」ことから、この名前がついたと言われている「牡蠣(カキ)」は、「海のミルク」といわれるほど栄養たっぷりで、昔から世界各国の沿岸地域で食用はもちろん、薬品や化粧品などとしても利用されてきました。

一般的に魚介類を生ではほとんど食べない欧米で、牡蠣は例外的に生食が発達した食材で、古くは古代ローマ時代から珍重され、養殖も行われていました。生牡蠣はフランス料理におけるオードブルにもなっていて、かのナポレオンも牡蠣の愛好家であったことが知られています。

一方、日本では縄文時代の頃から食べられていたようで、多くの貝塚からその痕跡が発見されています。ハマグリに次いで多く食べられた食材です。室町時代にはすでに養殖も行われるようになっていました。明治時代、広島から牡蠣を積んだ「牡蠣船」が、大阪の堂島や道頓堀などで船上商いを行うことが晩秋の風物詩となっていました。

かつては産地から運ぶのに時間がかかったため、日本では牡蠣の生食は一般化せず、酢で締めたり、加熱された牡蠣を食べていました。生で食べるようになったのは、欧米の文化が入ってきた明治以降で、生で食べる習慣が欧米から輸入された珍しい食材です。

牡蠣といえば冬に食べるイメージが一般的ですが、実は種類によって旬が異なります。そもそも日本で食べられている食用の牡蠣には大きく2種類あり、岩牡蠣と真牡蠣に分けられます。

岩牡蠣の旬は、夏場の6月〜9月頃。真牡蠣よりも殻が厚く、サイズも大きいのが特徴です。養殖もありますが、一般的には天然物が多く、真牡蠣より高価な傾向にあります。一方、真牡蠣の旬は、岩牡蠣と反対で、冬場の11月〜4月頃。大きさは岩牡蠣よりも小ぶりで、スーパーに並んでいるのは真牡蠣がほとんどです。養殖されているので一年を通して楽しむことができます。

主な真牡蠣の産地は、広島県が日本全体の水揚げ量の6割強を締めています。続いて宮城県が2位。3位が岡山県。以下、兵庫県、岩手県、三重県、北海道、石川県、福岡県、長崎県、香川県、新潟県、愛媛県、京都府と続きます。

広島県の牡蠣は、殻が小ぶりなものの身が大きくプリプリとして、濃厚な味わいを楽しめます。宮城県は、三陸の海水が常に流れる絶好の漁場で、漁獲量は広島県に次ぐ2位ですが、生食用の牡蠣だけでいえば全国1位です。北海道は、厚岸・サロマ湖・知内の三大名産地があります。厚岸の牡蠣はコクがあり、サロマ湖の牡蠣は少し甘味が、知内の牡蠣はクリーミーなのが特徴です。

近年は、北海道厚岸町の「カキえもん」や「仙鳳趾産かき」、三重県の「的矢かき」、「浦村かき」、「渡利かき」、広島県の「かき小町」、北海道寿都町の「寿かき」など、各産地ごとにブランド化した牡蠣を売り出すなど、付加価値を追及した新しい動きもみられるようになってきました。





海と歴史を刻む街から口福のおすそわけ。「小樽港 海の幸お届け便」


かつて江戸から明治にかけて日本各地と北海道を結んだ北前船という商船がありました。
その頃から小樽を大きく発展させてきた「春告魚」とは鰊のこと。
ここから始まった小樽の水産加工の歴史は創業100年を超える企業を作り出してきました。
小樽百貨UNGA↑は、小樽水産加工業協同組合とともに、この街を活かしてきた「海の恵み」を全国の皆様へお届けいたします。


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