海に下るか、川に残るか。一生のあり方が変わるサクラマス

小樽港海の幸お届け便り vol.64

サクラマスは鮭の仲間に分類され、とても美しい魚で、味も素晴らしい、幻の高級魚です。9〜12月に生まれた卵は川底で冬を越し、翌年の春に孵化します。稚魚は1〜2年の間、川の上流で暮し、15〜20cmほどまで育った後、海へ下るものと、そのまま川に残るものに分かれます。川で過ごしている間は、パーマークと呼ばれる小判形の青い斑紋があり、その外観は非常に美しく、渓流の女王とも呼ばれます。

海へ下るものが「サクラマス」、そのまま川に残るものは「ヤマメ」と呼ばれます。サクラマスは、生後2年目に海へ下ると言われ、海では1年ほど過ごし、大きく育ったサクラマスは春から夏にかけ、生まれ育った川を再び遡り、産卵の準備をします。

エサの豊富な海を回遊するサクラマスは、川に残ったヤマメよりもずっと大きく育ちます。小魚や動物性プランクトンなどを食べてわずか1年で50〜60cmにまで成長し、中には70cmを超えるものもいます。浸透圧の異なる淡水から塩水へと適応するために、パーマークは完全に消え、凛としたシルバー1色になります。この銀色になる変化は「銀化」や「スモルト」と呼ばれます。

秋の産卵シーズンが近づくにつれ、だんだんと赤く色づいていきます。サクラマスという名前の由来は、産卵前の婚姻色がキレイな桜色をしていることから名付けられました。川を遡上したサクラマスは、砂と小石が入り混じった川底に卵を産み付けます。卵を産み付けるための産卵床は、メスが単独で準備し、産卵前にはヒレがボロボロになってしまいます。いよいよ産卵というときになると、オスがメスに寄り添います。

メスは、産卵床に卵を産み付けますが、その際にタイミングを合わせて、オスも射精し卵を受精させます。サクラマスは産卵後、オスメス関係なく死んでしまいますが、川に残留していたヤマメは産卵しても生き続けます。海に下るか、川に残るか、その岐路で一生のあり方が大きく変わるとても神秘的な魚です。




海と歴史を刻む街から口福のおすそわけ。「小樽港 海の幸お届け便」


かつて江戸から明治にかけて日本各地と北海道を結んだ北前船という商船がありました。
その頃から小樽を大きく発展させてきた「春告魚」とは鰊のこと。
ここから始まった小樽の水産加工の歴史は創業100年を超える企業を作り出してきました。
小樽百貨UNGA↑は、小樽水産加工業協同組合とともに、この街を活かしてきた「海の恵み」を全国の皆様へお届けいたします。


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