国内生産量の95%が北海道で採取される昆布

小樽港海の幸お届け便り vol.67

昆布の由来は、アイヌ民族が「コンプ」と呼び、これが中国に渡り、再び外来語として日本に逆輸入されたと言われる説が有力です。昆布と思われる海藻は奈良時代の書物「続日本紀」に初めて登場し、昆布が朝廷に献上されたと記録されています。

昆布の交易船が北海道の松前と本州の間を、盛んに行きかうようになったのは鎌倉時代中期以降です。室町時代に入ると、北海道から福井県の敦賀まで船で運ばれ、京都・大阪に送られていきました。江戸時代になると、北前船を使って下関から瀬戸内海を通る西まわり航路で敦賀・小浜を経由せず、直接天下の台所・大阪へ入っていきます。その後は、江戸〜九州〜沖縄県〜中国へと広がっていきました。この昆布が運ばれた道筋は「昆布ロード」と呼ばれ、昆布がもたらされた土地では、独自の料理や食べ方が生まれました。

現在、昆布の国内生産はほとんどが北海道から採取されており、全体の95%に相当します。分布を見ると、寒流が流れる沿岸部では、長昆布、日高昆布、羅臼昆布等が見られ、暖流の北上する日本海沿岸や、オホーツク海沿岸は細目昆布、利尻昆布が、また暖流と寒流の交錯する噴火湾の沿岸には真昆布が成育しています。

それぞれ種類の異なる昆布を見ていきます。真昆布(山出し昆布)は、函館を中心に道南で収穫される昆布です。利尻昆布と同様、透明感のある上品な出し汁が引ける事から、高級出し昆布として人気があります。繊維質が柔らかいので、高級な煮昆布としても大阪を中心に使われてきました。函館近隣の南茅部を中心に採れる昆布が、函館港まで川汲峠を越えて運ばれた事から、「山から運び出される昆布」として、又、山のように沢山のうまみを含んだ出し汁が楽しめる事から別名『山出し昆布』とも言われているそうです。

利尻昆布は、最北宗谷岬を中心に収穫される最高級出し昆布です。繊維質も固く出し汁が濁らない事から御本山の精進料理や京の懐石料理には欠かせない昆布です。宗谷岬を中心に収穫される物を地方(じかた)、利尻島、礼文島で収穫される物を島物と呼び、その透明で上品な出しの特徴から島物を上浜、地方を並浜と分けてきました。

羅臼昆布は、世界遺産に登録された知床半島の太平洋岸で収穫される幅の広い昆布。正式名は「りしり系えながおにこんぶ」といいます。少々濁りますが濃いコクのある出し汁が特徴で、みそ汁や他の合わせ出しに。又、そばつゆやうどん出しにも重宝します。他に、昆布茶、おやつ昆布、佃煮などにも加工されています。

日高昆布は、植物学的な名は三石昆布ですが、日高地方で取られたものが、特に日高昆布と呼ばれています。昆布の香りが強い為、あまり出し昆布としては使用しませんが、肉厚で繊維質が柔らかい事から煮上りも早く高級煮昆布として昔から人気のある昆布です。お正月の昆布巻き料理には欠かせない昆布です。

長昆布は、釧路、根室を中心に太平洋岸で収穫される昆布です。毎年大量に収穫され日高昆布に次ぐ煮昆布の代表です。出し昆布にはむきませんが、柔らかく煮上がる事から業務用に佃煮昆布、昆布巻きにと加工され販売される昆布です。

細目昆布は、1年生昆布で切り口が白く、細目の葉形で粘りが強い昆布です。満1年目の終わりごろに流失するので、1年目の夏に採取し、とろろ昆布・納豆昆布の材料として使用されます。

その他、がごめ昆布は、表面にかごの目に似た凹凸があります。粘りが非常に強いのが特徴です。 近年、健康効果があると知られてから注目されるようになりました。とろろ昆布や、納豆昆布、松前漬などの原料に利用されます。真昆布とほぼ同じ地域に生えています。




海と歴史を刻む街から口福のおすそわけ。「小樽港 海の幸お届け便」


かつて江戸から明治にかけて日本各地と北海道を結んだ北前船という商船がありました。
その頃から小樽を大きく発展させてきた「春告魚」とは鰊のこと。
ここから始まった小樽の水産加工の歴史は創業100年を超える企業を作り出してきました。
小樽百貨UNGA↑は、小樽水産加工業協同組合とともに、この街を活かしてきた「海の恵み」を全国の皆様へお届けいたします。


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