北前船の主要物資「ニシン」を使った郷土料理

小樽港海の幸お届け便り vol.80

きらきらと輝くニシンは、冷たい海水を好む魚です。そのため日本では北海道での水揚げが多く、江戸時代後期から北前船によって北海道から本州に輸送されていました。ニシンは日持ちがしない魚介類の1つで、食材の流通や保存方法が発達していなかった時代には、身欠きにしんや干物などに加工して運ばれていました。そんなニシンを使った昔ながらの郷土料理をご紹介します。

まずは「ニシン蕎麦」です。ニシンの干物「身欠きニシン」を甘露煮にし、蕎麦にのせた北海道の郷土料理です。「ニシン蕎麦」といえば京都が有名ですが、北海道でも昔から食べられてきました。江戸時代後期から明治ごろにかけて北海道沿岸部ではニシン漁が盛んでした。冷凍技術が発達していなかった江戸時代、大量にとれたニシンは日持ちするよう干物に加工した身欠ニシンとして保存するようになりました。

タンパク源となる身欠ニシンは全国的にも貴重な保存食となり、北前船にのせて北海道から本州まで輸送されていました。そうして、京都をはじめとした各地に身欠ニシンは大量に運ばれ、北海道以外でもニシン料理が進化していったそうです。「ニシン蕎麦」は、京都が発祥といわれますが、北海道の「ニシン蕎麦」のルーツは、江差町でニシン漁が栄えたころの網元「横山家」に伝わるレシピだと言われています。

次に「ニシン漬け」です。「ニシン漬け」は、ニシン漁が隆盛を極めた時代から家庭でつくられていた郷土料理です。当時は寒い冬を越すための食糧を貯蔵することが重要でした。その一つの保存方法として漬物が用いられていました。冬が訪れる前に干物に加工した身欠ニシンと、野菜を一緒に漬け込んだものが「ニシン漬け」として定着したと言われており、現在でも北海道の冬の家庭料理として根づいています。

最後は「昆布巻き」です。北海道は全国の生産量の90%以上を占める日本を代表する昆布の生産地です。江戸時代に昆布漁が盛んになると、消費量も増え、「北前船」の主要な輸送物資となりました。昆布漁と時期を同じくして漁獲量が非常に高かったニシンや、北海道の名産であるサケと合わせた「昆布巻き」がつくられ、北海道の郷土料理となっていきました。




海と歴史を刻む街から口福のおすそわけ。「小樽港 海の幸お届け便」


かつて江戸から明治にかけて日本各地と北海道を結んだ北前船という商船がありました。
その頃から小樽を大きく発展させてきた「春告魚」とは鰊のこと。
ここから始まった小樽の水産加工の歴史は創業100年を超える企業を作り出してきました。
小樽百貨UNGA↑は、小樽水産加工業協同組合とともに、この街を活かしてきた「海の恵み」を全国の皆様へお届けいたします。


小樽港 海の幸お届け便
このページの先頭へ