小樽の祝津(しゅくつ)エリアに佇む「小樽貴賓館(旧青山別邸)」は、かつて北海道の日本海沿岸を席巻した「にしん漁」の黄金時代を今に伝える、極めて贅を尽くした歴史的建造物です。その圧倒的なスケールと美術的価値から、単なる歴史保存建築の枠を超え、まさに「北の美術豪邸」と呼ぶにふさわしい空間となっています。
この邸宅を建てたのは、にしん漁で財を成した網元、青山家の二代目・政吉とその娘・政恵です。1917年(大正6年)から約6年半の歳月をかけて完成しました。
当時、小樽の祝津周辺はにしん漁で沸き返っており、多くの「にしん御殿」が建てられましたが、この旧青山別邸はそれらとは一線を画します。生活や作業の拠点としての「御殿」ではなく、あくまで「美を追求した別荘」として建てられたため、細部までのこだわりが尋常ではありませんでした。当時のお金で、新宿の有名百貨店がいくつも建つほどの巨費が投じられたと言われています。
建物は木造2階建て、建坪は約190坪に及びます。建材には、当時でも入手困難だった最高級のケヤキやヒノキ、黒檀(こくたん)などが惜しみなく使われています。館内の各部屋を彩る襖絵は、当時の一流絵師や書家によって描かれたものです。一間ごとに趣が異なり、まるで美術館を歩いているような感覚に陥ります。欄間(らんま)に施された繊細な彫刻や、釘を一本も使わずに組み上げられた「組子障子」の幾何学模様は、現代の職人でも再現が困難と言われるほどの技術の結晶です。特筆すべきはトイレ(雪隠)です。ここにも見事な漆塗りや螺鈿(らでん)細工が施されており、青山家の並外れた富と美意識を象徴しています。
建物の周囲を囲む日本庭園も、小樽貴賓館の大きな魅力です。特に有名なのが「牡丹(ボタン)」です。5月下旬から6月にかけて、庭園には数百株のボタンやシャクヤクが大輪の花を咲かせます。この時期には「牡丹まつり」も開催され、重厚な建築と華やかな花のコントラストを楽しみに、多くの観光客が訪れます。秋には鮮やかな紅葉、冬には雪化粧をした静寂の庭園と、四季折々の表情を見せてくれます。
2010年(平成22年)には、旧青山別邸の本館、離れ、塀などが国の登録有形文化財に指定されました。小樽の繁栄を支えた「にしん文化」を象徴する遺構として、また大正時代の優れた建築技術を保存する貴重な拠点として、公的に高く評価されています。
現在は「小樽貴賓館」として一般公開されており、併設されたレストランでは、にしん料理をはじめとした北海道の旬の味覚を味わうことができます。格調高い雰囲気の中で、当時の豪商たちが眺めたであろう景色を楽しみながら食事ができるのも、ここならではの体験です。
施設名
にしん御殿 小樽貴賓館 (旧青山別邸)
住所
〒047-0047 北海道小樽市祝津3丁目63
電話
0134-24-0024
営業時間
9:00~17:00
定休日
年末年始
ホームページ
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小樽北運河エリアにある道内最古の営業倉庫といわれる「旧小樽倉庫本庫」を改装した店舗で小樽の魅力をお伝えするオリジナル商品を開発し販売しています。北海道開拓時代の小樽の繁栄と、北前船の歴史を語り伝え、寄港地や北海道産の魚介類や農産物の加工品、小樽所縁の職人や作家のオリジナル製品の展示販売をしています。

施設名
UNGAPLUS
住所
〒047-0031 小樽市色内2-1-20
電話
0134-65-8150
営業時間
10:00~18:00
定休日
年末年始(詳しくは公式ホームページをご確認ください)
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